大学入学当時,つけ麺はらーめんとは認めないと思っていた。
今でもやっぱりつけ麺は普通のらーめんとは似て非なるものとして捉えている。
というか,ひとつのらーめんのジャンル「つけめん」として。
冷やし中華は昔から変わらず,らーめんの1種ではない!と断固否定する心構えをとっている。
じゃあ油そば はどうなの?
そう考えると,
らーめんではないよな…スープがないわけだし,食べ方がすこし特殊な気がするし。
そんな風に今では「らーめん」と「つけ麺」はお友達みたいな認識なのだが,
「油そば」は僕のなかでまだらーめん・つけ麺グループの市民権を得ていない。
だいたい,最近の油そば専門店というのはどこに行っても同じようなものを
おなじような料金体系で提供しているような気がする。
差異が感じられないというか…。
それでもおいしい油そばのお店はあるもので,国分寺にある宝華らぁめんがそのひとつだ。
東小金井「宝華」の系列店ということで立川にもおなじく南口にあるお店だ。
国分寺では北口を出てマックのある通りをまっすぐ,
三菱東京UFJの方へ歩いて行くと三成堂書店の地下1階にある。
外観的にはどこにでもありそうな雰囲気を醸し出していて,
内装もあたりさわりのない綺麗なところだ。
平日の夕方6時,来店すると先客はひとりだけ,
若いアルバイトのお兄さんが新米と思われるアルバイトさんに指導しているところだった。
スタンダードな「油そば」(630円)を注文する。
待つこと数分,到着する油そば。
ここは今巷に溢れている油そば店とは少しちがって,油そばに鶏がらスープがついてくる。
それに,トッピングとして置かれているのが酢や胡椒など一般的ならーめん屋さんに置かれているもので,
ニンニクやマヨネーズなど,いかにもジャンクフードといったものが置かれていないのも特徴だ。
しかも,食べていると感じる,どこか懐かしい味!
麺に絡められた醤油だれから湧き出る哀愁?
まろやかでとげのない味わい。
ネギやかいわれがまた,食感的にも良いあじを出している。
そして最後に「お口直し」で頂く鶏がらスープ。
特になんてことのないスープのはずなのに心地いい。
この味を知っていると,たまには「油そば」を食べたいなと思う。
やっぱりそれはらーめんとは別ものなのだけど。